活字とうたの日々は...

音楽系陰男子のエッセイ

道に迷う日々

僕はよく道に迷う。
いわゆる方向音痴というやつである。



僕は特に夜道が苦手だ。

昼間ならわかる道でも、夜になると一気にわからなくなる。
方向感覚がなくなるのだ。

実際、僕は家から徒歩約10分圏内のとこで道に迷うことがある。
その道は普段通らない(といっても何度か通ってることはあるのだが)道だったし、暗くてよくわからなかったからだ。
まあ今はスマホで地図と現在地がわかるので家に帰れはしたけれど、道も分からない自分が悲しくなった。


時々思う。
もしこれがもう少し前の時代だったら
道に迷ってもスマホはない。
家に帰れないじゃないか!

こんなときは"人"に聞けばいいだろう。

困ったときは知らない人でもお互いに助け合う、人間らしく素敵な行為だ。



しかし今は違う。
"人"でなく"機械"に聞く時代なのだ。
もちろん機械が悪いとは言わない。
機械の方が正確だし、早いし、何より人に話しかけるという勇気が必要な行為をしなくていい。

でも、何故か僕は味気なさを感じてしまう。

小学生の時、その頃から方向音痴の才能をみせていた僕は、ちょっと遠くまで遊びに行って帰り道がわからなくなったことがある。
しかし、人見知りな僕は人に話しかけることができなく、時間だけが進んでいった。
このままだとさすがに駄目だと、自分の持てるだけの勇気を振り絞り、二人組のおじさんに話しかけた。
すると、そのおじさんはとても親切で、自分の拙い説明を理解し家の近くまで連れていってくれた。
この時、僕はすごく嬉しかった。
この嬉しさは家に帰れるという嬉しさだけじゃなく、人の温かみに触れられた嬉しさでもあったと思う。

そして、今もこの温かみはなくなってはいない。
触れる機会が少なくなっただけのはずだ。

この温かみが時々恋しくなるのは僕だけだろうか。